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稲門法曹会メールマガジン No.2017-12
2017/12/8 第62号
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┃● 今こそ進取の精神!~外立憲治弁護士インタビュー~
┃○ 修習生だより
┃● 出版案内
┃○ 新人稲門法曹の採用をお考えの方へ
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いまこそ進取の精神!~外立憲治弁護士インタビュー~
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弁護士:福島健史(早稲田リーガルコモンズ法律事務所)
早稲田大学大学院法務研究科生:
2年 伊藤海晴 鈴木麻里奈 千葉宥太
1年 大倉由莉
はじめに
稲門法曹会メールマガジン第53号から開始しました「
社会を切り開いてこられた先輩方から、その経験、
若手法曹・学生に向けたメッセージとして発信しています。
第1号は、
した。
第2号では、
外立憲治先生は、1973年に弁護士登録され(25期)、
ウォールストリートで経験を積まれました。1978年に帰国後、
金融取引法務を代表とする国際的な仕事を取り扱われる一方で、
れております。
本インタビューは全3編で構成し、今回は第1編をお送りします。
<目次>
第1編 弁護士になるまでと海外留学
1 弁護士になるまで(早稲田大学での生活)
2 海外留学での生活
第2編 弁護士としての仕事
1 海外事務所での仕事
2 帰国後の仕事
第3編 法曹としての心構え・早稲田パーソンへ
1 弁護士としての姿勢
2 公益活動
3 文化と友人
4 インタビューを終えて(法務研究科生より)
第1編 弁護士になるまでと海外留学
1 弁護士になるまで(早稲田大学での生活)
(1)高校生~早稲田大学政治経済学部
高校生の時、自分の中では、
になりたかった。家族もサポートしてくれた。
ただ、高校の2年生になると歴史や文学に夢中になっていき、
になろうと志した。
将来の夢である政治家に近いと思い、
しかし、当時は学園闘争の舞台の真っ只中だった。
がはじまらない。
勉強したくても勉強できる環境ではなく、勉強場所を探していた。
ているのに申し訳ないと思っていたし、麻雀で時間を潰すなんて、
いた。
だからクラスでストライキの決議を取る時に立ち上がり、
結果、我クラスだけが政経20クラス以上ある中で唯一、
なった。
しかし、ほとんどのクラスは熱病のように学園閉鎖賛成で、
一年から二年にかけて続いた。
ある時、
係なく、真剣に机に向かい勉強している人たちがいた。
ここが学問をする場だという雰囲気が立ち込めていた。
政治経済学部でも試験が受けられるのか調べたところ、
3年から受けられるということだった。
政治家の道を戸惑っていたこともあり、クラスの友人に「
う?」と尋ねたら、「それはいい。政治家よりお前に向いている」
これが一つの大きなきっかけであった。
早速、早稲田の司法試験研究会-創法会に入会し、
スタートさせた。
翌年の択一試験が念頭にあり、
道を切り開きたかった。
しかしながら、
法試験の受験勉強の両立は難しいこともあった。
そのため、大学の授業の出席は必要最小限にとどめ、
けた学習に重きをおくこととした。
そのような状況下、仲の良い政経の友人たちが、
ノートをコピーしてくれたりして、サポートしてくれた。
司法試験受験資格の前提条件の、教養科目の単位を取ることでき、
習を行うことができた。
彼らのサポートがなければ、
当初から、世の中の役に立つことをしたいという気持ちがあり、
をはじめた。
大学3年生の5月だったと思うが、初めて択一試験を受けた。
残念ながら不合格であった。
3年生のときに少なくとも択一試験だけは受かるつもりでいたが、
合格レベルには、
一発表前から4年の現役合格を目指して、朝早くから学校に通い、
かく朝から晩まで勉強した。
早稲田での創法会という司法試験研究会は、
心の故郷(ふるさと)で、
えたし、そこで個性豊かな友人も出来た。
政治経済学部と法学部両方の友人ができたことは、
思う。
そして、幸いにも本当にラッキーなことだが、
たり、
ときに司法試験に合格できた。
政治経済学部では、当時では初の合格者だったように思う。
独学だった。
(2)司法修習
司法試験に合格し、当初の目的通り裁判官になろうと、
当時、京都は、
永い歴史、美しい自然、美味な料理、
めるうちに、裁判官としての将来に違和感があり、
た。
今思い返すと、自分が正しいと感じたことを軸に行動し、
が、自分に合っていると感じていたからだと思う。
“権力”への憧れは無く、早大のあの自由な学園の雰囲気が、
由”でありたいと願う人生へと導いたのだと思う。
あの時、弁護士職を選択したことは、今も全く後悔していない。
仮にあのまま裁判官教官の勧めに応じて、
中で思う良い裁判官にはなっていなかったかもしれない。
士を選択した決断はよかったと思っている。
志望転換による裁判教官の裁判官への勧誘説得はすさまじく、
2日間にもその説得は及んだのだが・・・。
2 海外留学での生活
司法試験合格後のある日、
合格したら受験勉強用ではない法律書を読んでみたいと思っていた
集などを店先で手にとっていたところ、
おそらく、値段も高い学者の記念論文集を過去にも幾冊か購入し、
うとしている珍しい学生がいたので、
議な人物だったから、社長さんが興味を持ったのだと思う。
私としては、教授から教わることなく、
的に教授が書いた学術論文集を読んでみたくて、
成文堂の社長さんには自分の経緯だったり、
すると、社長さんから、「これからは、
きていくべきだ。それはとても重要なことですよ。」
先生 とを紹介していただいた。
その紹介を頼って司法研修後期の頃、
土井先生の研究室を訪ね、
いとの想いを相談した。
先生は「本格的に世界的に活躍する弁護士になりたいのなら、
方が良い。
と明言され、「君は若いから日本にいても役立つわけではない。
さだからこそ学べるものがあるのだ」との助言を受けた。
現役で合格した25歳の自分では、
業務分野で自分を直ちに活かせるとは思っていなかった。
また、
持つのはとても難しい環境だった。
恐らく土井先生はそれらのことを理解されていたからこそ、「
をつけろ」、「まずは最先端のことにチャレンジすべき」
45年以上も経って感ずるのは、本当にそれは正しかったと思う。
若い弁護士は、
い。
本当に曖昧模糊とした不安を自分の人生の前途に、
今振り返れば土井先生のアドバイスは、
父親に留学したいと相談したが、「長男なのに」「
「いつまで勉強か」「いつまで親に頼るのか」「
父としては当然のことだが、自分は諦めることが出来ず、
なんとか母が父を説得してくれて、留学することが決まった。
そこで次は留学と同時に、
許可を求めた。これも「社会人として独立もしていないのに」
粘り、弁護士登録をした直後に、
留学といっても準備も無く、急な事だったので、
一度は特にアメリカに留学し、日本という国を、
不安は大きかったが、アメリカへの強いあこがれが、
土井先生のご紹介で、ワシントン州立大学で故ヘンダーソン教授(
シントン州立大学の教授)
機の窓から見た雲の美しさに感動したことは忘れられない。
この45年で800~1000回近く飛行機に乗っていると、
しまったが。
ワシントン州立大学のロースクールでは、
勉強した。毎日、妻が作ってくれた朝食を食べ、
時以外は机に向かって勉強した。
周囲も身なりを気にせず勉強していた。長髪、
そのような生活がアメリカのロースクール生には普通だった。
勉強した時期だと思う。
朝方まで勉強し、
私のシアトルでの留学生活は、非常に貧しかった。しかし、
けるのかを学んだのだと思う。
一般的に言えば新婚生活だったのだが、
済的に甘えることにも限度があり、
言った奨学金もなく、
めStudioサイズの部屋に住み、
は、それまでお金が無ければ、母親に金が欲しいと言えば、
で、まず倹約を学んだ。
しかし、病気やその他の臨時の出費等々で、
的には苦労した。
派遣の他の日本人留学生で、お金を不自由なく使っている人が、
しかし、我々2人には今ある環境で、
なり、自然と同様に貧しい台湾の留学生や、
と付き合うようになり、それが永年の友情となる基礎を築いた。
必然的に勉強熱心なアメリカ人学生と付き合った結果だった。
また、妻は日本語の教師のバイトをしたりして収入を得た。
或る大商社の法務部から派遣されてきたサラリーマンの留学生を、
活)で侘しいだろうと、我々の貧しいアパートに招き、
本の弁護士なのにこんなに貧しい生活をしているのか、
大きなアパートに住んでいて、
言われ、自尊心がかなり傷ついたことを覚えている。
だから、日本人の留学生とは意識的に付き合わず、
げていった。
トナーになり、その後日本から仕事を頼んだり、
他方、当時巨大なリンカーン・
りまわしていた或る日本人弁護士留学生は、帰国後10数年し、
弁護士資格をはく奪されるという人生を辿っている。
(1月号に続く)
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修習生だより
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第70期司法修習生 坂口 香澄
第1 自己紹介
70期司法修習生の坂口香澄と申します。
出身は福岡ですが,大学は早稲田の法学部,
現在の住まいも早稲田と,生粋の「ワセジョ」です。
現在司法修習生の身分は残っていますが,
待ちながら日々気ままに過ごす,人生最後(?)
わたしの実務修習地は東京でした。
東京の修習生は,
の基盤が東京にある人です。
そのため,地方配属のような非日常感や高揚感はなく,
です。
東京での修習は腰を据えて堅実・
挙げるとすれば,
て直視できなくなるというところでしょうか。
第2 ホームグラウンド
東京配属の修習生は,実務修習,集合修習を終えた後に,
行います(いわゆるA班です)。
わたしの弁護修習・ホームグラウンド先は,
大手事務所でした。
「大手はピリピリしている」「修習生は放置される」
指導担当の先生はとても明るく気さくな方で,
務所ならではの多彩な事件について学ぶことが出来ました。
ホームグラウンドでは,二回試験の勉強をしつつ,
件のその後を追いかけていました。
指導担当の先生をはじめ多くの先生方が,
問わずあたたかく御指導くださり,
あっというまに無に帰しました(本当にありがたいことです…)。
第3 二回試験
二回試験直前は様々な憶測が飛び交い,
弁護で不合格者が多かったから今年は簡単になるだろう」「
題されていた強盗がアツイ」でした。
しかし,ふたを開けてみると,
なく,そして検察は強盗ではありませんでした。
個人的には民事弁護の出来が悪くかなり落ち込んだのですが,
も終わってしまうと全てが遠い昔のように感じます。
今はいろいろと忘れて果報を寝て待っているところです。
第4 おわりに
わたしは,今年の9月12日の71期合格発表の日,
掲示板の前では合格報告の電話をしている人が多く,涙ながらに「
りがとう」「これから,頑張るね」と話していたのを聞き,
していました。
ようやくスタートラインに立った喜びと意気込み,
れた感謝。
その気持ちは,1年間の修習を経ていま一層強くなっています。
改めて,修習は,教官や,配属部の裁判官,指導担当検事,
め,多くの方々に支えられていたと切に感じます。
わたしは,もし無事に二回試験を合格していれば,
務所で弁護士として働き始めます。
いよいよ本当にスタートラインです。
一日も早く一人前の弁護士として人の役に立てるよう,
いた御恩を未来の後輩に繋げられるよう,精進して参ります。
どうぞよろしくお願いいたします。
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出版物案内
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稲門法曹の新刊(11月+10月+9月)
■「終末期医療と刑法」
甲斐克則 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「契約法講義[第4版]
後藤巻則 著
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■「マンション法案内[第2版]」
鎌野邦樹 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「不動産の法律知識〈第2版〉」
鎌野邦樹 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「契約法」
中田裕康 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「民法 Ⅱ 物権 [第4版]」
淡路 剛久,鎌田 薫,原田 純孝,生熊 長幸/著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「事実認定体系 民法総則編1」
村田 渉 編著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「事実認定体系 民法総則編2」
村田 渉 編著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「事実認定体系 物権編」
村田 渉/編著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「金融法論集 (上)」
岩原 紳作/著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「実践!法律事務所経営マニュアル」
松本常広 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「民法③債権総論判例30!」
田高寛貴/白石 大/山城一真 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「債権回収 基本のき [第4版]」
権田 修一/著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「面会交流と養育費の実務と展望[第2版]」
棚村政行 編著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「民法7 親族・相続[第5版]」
髙橋朋子/床谷文雄/棚村政行 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「家事法の理論・実務・判例1」
道垣内弘人/松原正明 編
http://www.seibundoh.co.jp/
■「ライセンス契約の基本と書式
長谷川 俊明/編著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「業務委託契約の基本と書式」
長谷川 俊明/編著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「Q&Aでわかる日本版「司法取引」への企業対応」
山口 幹生,名取 俊也/著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「国際取引法講義」
久保田 隆 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「長井圓先生古稀記念/刑事法学の未来」
高橋則夫/只木 誠/田中利幸/寺崎嘉博 編
http://www.seibundoh.co.jp/
■「実践刑事証拠法」
太田 茂 著
http://www.seibundoh.co.jp/
■「応用刑事訴訟法」
太田 茂 著
http://www.seibundoh.co.jp/
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ご支援・ご協力のお願い
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秀な稲門法曹を一人でも多く育成することを念願し、
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・稲門法曹奨学金へのご支援のお申込:こちらをご参照ください。
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