メールマガジン

稲門法曹会メールマガジン 第6号 No.2013-4

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   稲門法曹会メールマガジン No.2013-4
2013/04/10 第6号 (毎月10日発行)

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┏━ Index ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃○今月号のご紹介
┃●リレー連載 ~ 原発事故と弁護士の活動
┃○浪江町臨時職員募集のご案内
┃●司法修習生ご支援のお願い
┃○会費納入のお願い
┃●編集後記
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今月号のご紹介
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 桜が咲く季節となりました。皆さまにおかれましては、いかがお過ごしでしょ
うか。
今月号のメルマガでは、リレー連載企画として、江口智子弁護士に被災者支援
に関するご活動をご紹介いただいております。その他、浪江町の臨時職員募集や
修習生受入れのお願い等、お目通しいただきたい内容をお送りさせていただきま
す。
皆さまにご一読いただけましたら幸いです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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リレー連載 ~ 原発事故と弁護士の活動
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【エッセイにあたって一言】
前回リレー連載を担当された小島秀一弁護士よりバトンを頂戴いたしました、
江口智子と申します。私は、勤務弁護士として、様々な家事・民事事件に関わら
せていただいているかたわら、原発事故によって被害を受けた被災者の支援活動
に携わっています。一口に被災者と言っても、強制避難区域からの避難者、それ
以外の地域からの避難者、放射線量の高い地域に住み続ける者…と、置かれてい
る状況は様々で悩みも異なります。このエッセイでは、これまで被災者の支援活
動に携わってきて思うところを書かせていただきます。

【略歴のご紹介】 
一橋大学法学部卒、早稻田大学大学院法務研究科(二期未修)、京都修習を経
て、東京弁護士会所属(新63期)。現在、東京駿河台法律事務所に勤務。

【原発事故と弁護士の活動】
私は、東京三弁護士会の主導により結成された「東日本大震災による原発事故
被災者支援弁護団」(弁護団)に事務局補佐として所属し、同時に、「福島の子
どもたちを守る法律家ネットワーク」(SAFLAN)に事務局次長として所属
して、東京電力福島第一原子力発電所事故によって被害を受けた被災者の支援活
動に携わっています。

 被災者の支援活動としてまず挙げられるのは、東京電力に対する損害賠償請求
です。弁護団では、原子力賠償紛争解決センターへの和解の仲介(ADR)の申
立代理活動を多数行っています。
弁護団でのADR申立活動では、主に、強制避難区域からの避難者について、
「原子力損害の賠償に関する法律」に基づき定められた原発事故の賠償の指針
(中間指針)よりも多くの賠償を勝ち取るなど一定の成果をあげています。弁護
団の活動の一端に関わってみて、被災者が適正な賠償を受けるためには、弁護士
の支援が欠かせないと感じました。

 しかし、自主避難者に対する賠償など、現在のADR申立による損害賠償請求
では解決できない問題もたくさんあります。
自主避難者とは、今回の原発事故で政府又は地方公共団体が避難等の指示等を出
していない区域から避難した者のことを指します。主に、放射能に対する感受性
の強い子どもや妊婦、及びその家族が、原発事故によって避難という選択を強い
られたのであり、希望して避難をした訳では決してありません。それでも、自主
避難者する賠償の指針(中間指針追補)では、福島県中通り等極めて限定的な地
域に居住する・していた者に対する低額の賠償しか認めませんでした。
その結果、自主避難者の生活は追い詰められ、また、放射線量が高い地域に居
住する方はそこに住みつづけるという選択を余儀なくされています。
そこで、一人一人の生活を支える支援施策の早期拡充を求めることも、被災者
の支援活動にとって重要となります。
SAFLANでは、被ばくを避けて生活する権利の確立を求めて、国会議員へ
の情報提供(ロビイング)を通して立法提言活動を行ってきました。昨年6月に
「原発事故子ども・被災者支援法」が成立し、現在、同法に基づく具体的施策の
実現を求めています。多種多様で深刻な問題が生じている今回の原発事故に対処
するために、立法府や行政に対する働きかけも弁護士の活動として重要だと思い
ます。

 被災者の置かれている状況は様々ですが、いずれの被災者にとっても、「賠償」
と「支援施策」の両方とも必要不可欠なものだと思います。十分かつ適切な「賠
償」を得て被災者が生活を再建していくことも重要ですが、就業支援や心のケア
など金銭では解決できない「支援」も、被災者から求められているからです。
被災者に寄り添いながら、今後も、支援活動を継続していきたいと思います。

 

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浪江町臨時職員募集のご案内
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ロースクール稲門会 各位

福島県浪江町、弁護士期間付き任用の件

               早稲田大学大学院法務研究科教授 須網 隆夫

 本日は、上記の件でロースクール稲門会の皆様に、連絡させて頂きます。福島
県浪江町は、福島第一原発から至近距離にある自治体で、2011年3月11日
の東日本大震災に引き続く原発事故により、全町民が住み慣れた故郷を離れて、
避難生活を余儀なくされています。町民は、現在も福島県を中心とする全国各地
に避難しており、仮設住宅における困難な生活を強いられている人も少なくあり
ません。町役場も、福島県二本松市に事務所を設けて、様々な行政サービスを町
民に提供しながら、復興を目指しています。他方、早稲田大学は、大震災発生直
後、震災復興に関連する研究を行う学内プロジェクトに、毎年一定額の研究費を
支給することを決定し、その一つに選定されている「東日本大震災復興支援法務
プロジェクト(代表・須網隆夫)」は、2012年3月以来、浪江町役場を法律
面で継続的に支援し、現在、法務研究科・法学部の10名以上の教員、さらに多
くの法科大学院学生がこの活動に参加しています。そのような町と大学との協力
関係は、本年徐々に具体的な成果を生み出しつつあり、本年2~3月には、30
名ほどの学生が、現地二本松市において、大震災発生後の町の対応状況を明らか
にするために、浪江町全職員を対象にした聞き取り調査を行い、また町が町民を
代理して行う、原子力損害賠償紛争解決センターへの申立には、教員の研究がそ
の理論的根拠を提供しています。なお、同申立を実際に担う弁護団には、早稲田
ロースクールを卒業した多くの弁護士が参加しています。
さて浪江町は、このような状況を背景に、弁護士を複数年の特定任期付き職員
として任用する方針を固めています。弁護士の任用は、被災自治体でも既に幾つ
か見られますが、原発事故により全町民避難が行われた双葉郡の自治体としては、
初めての試みです。
現在、町が予定している枠組みは、以下の通りです。

(任用形態)
複数年の特定任期付職員(医師、弁護士等を対象)。任用期間については3年
を予定するが要相談。

(予定業務)
当面は、町民による東京電力に対する賠償請求の支援業務。業務範囲は、適宜
拡大する予定。

(任用時期)
新年度2013年4月以降、なるべく早い時期の採用を予定。

(給与条件)
年収550万円程度を予定するも、希望額により要相談。なお、弁護士会費は、
別途町が負担。

(勤務地)
二本松市の浪江町二本松事務所。

(採用方法)
選考採用。書類選考及び面接試験を実施する。

 町では、総務課が担当窓口となっていますが、関心のある方は、まず須網隆夫
教授(メールアドレス・suamilaw@waseda.jp)までご連絡ください。さらに詳細を
お知らせするとともに、町への応募をアレンジ致します。

以上

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司法修習生ご支援のお願い
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 早稲田大学大学院法務研究科の調査によれば、現在、300名を超える早大出身
者が、理想の法曹像を胸に各地で修習に励んでおります。

 この中には様々な不安を持って修習に臨む者も多く、ぜひともみなさまには、
お近くの稲門修習生を叱咤激励の上、日々新たな前進を修める上での背中を押し
ていただければと存じます。
先輩稲門法曹と新人稲門法曹との交流の機会を設けていただけるよな場合がござ
いましたら、広報等のご協力をさせていただきたいと考えておりますので、ぜひ
下記の稲門法曹会事務局までご連絡ください。

今後も、法曹分野に従事する早稲田大学校友相互の親睦および早稲田大学との連
携を深める活動を行っていく予定ですので、よろしくご支援のほど、お願い申し
上げます。

 

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会費納入のお願い
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2009年度総会でご承認いただきました年会費の納入をお願いしております。
未納入の方は、下記の方法にて年会費の納入を行っていただきますようお願い
申し上げます。
 
○会費の納入方法(いずれかの方法にてお願いいたします)
①指定口座からの自動引落サービス
http://www.waseda-legal-alumni.jp/?p=68
②銀行振込
→りそな銀行 早稲田支店(420)
早稲田大学稲門法曹会 普通 1484197
③クレジットカードによる支払
→会員専用システムからお願いいたします。
 
○会費額  年会費 5,000円
ただし、弁護士登録後または裁判官もしくは検察官に任官された後、
満10年を経過している方は10,000円
※みなさまのまわりの稲門法曹へのお声掛けにご協力お願いいたします。

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編集後記
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会員のみなさまの声をご案内していきたいと考えております。
催し事、出版物、近況等などございましたら、下記までご連絡ください。

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【発行】稲門法曹会
〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1 法務教育研究センター内
      Tel:03-3208-9592 e-mail: tohmon-jimu@list.waseda.jp
URL: http://www.waseda-legal-alumni.jp/
※配信停止をご希望の方は、タイトルに「配信停止」、本文に「氏名」を記載の
うえ、tohmonhoso@list.waseda.jpまでお送りください。
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