メールマガジン

稲門法曹会メールマガジン 第38号 No.2016-01

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   法曹メールマガジン No.2016-01
                   2016/01/08 第38号

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┏━ Index ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃● リレーエッセイ
┃○ 修習生だより
┃● 加算プログラムの評価結果速報
┃○ 法務研究科Newsletter「梓」第19号発行のお知らせ
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  リレーエッセイ
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                リレーエッセイ

                                 泉 智之
 1.はじめに

 明けましておめでとうございます。司法修習67期の泉智之と申します。

 私は、震災の余韻の残る2011年4月から2013年3月まで早田大学大学院法務研究科(既習者コース)で学んだ後、同年11月から日本酒処の新潟で司法修習を行い、翌2014年12月より早田リーガルコモンズ法律事務所でアソシエイトとして執務を開始し、約一年が経ったところです。

   今回は貴重な機をいただきましたので、弁護士となってからの一年間を振り返ってみたいと思います。

 2.弁護士業務

 (1)最初の国選事件

 私が一年目に関わった中で最も印象に残っている事件は、弁護士の研修として配点された最初の被疑者国選です。この事件は、被疑者が完全に否認して争っていたため、なるべく接見に行くよう心がけ、捜査がほぼ行われていない様子が看取できましたので勾留延長に準抗告を出すなど積極的に闘いました。

 最終的に被疑者は不起訴処分となり、今後について話し合うために接見に赴いた際、被疑者から直接感謝の言葉を受けて嬉しく思い、弁護士業務のやりがいを強く感じました。

 (2)専家としてのコミュニケーションの難しさ

 他方で、私が一年目に最も悩んだのは専家としてのコミュニケーション方法です。だんだんと依頼者、相手方及び代理人その他の人々と自分一人で接することが増えてきましたが、相手との関係等それぞれの状況に応じて「いつ・何を・どのように伝えればよいか(そもそも伝えてよいか)」について悩みました。

 当初は全く判断がつかない状態で、先輩方に逐次確認してばかりでした。この一年間で注意点や表現方法について蓄積が増えてきましたので、少しは向上したのではないかと思いますが、今後も先輩方のやりとりを注意深く観察しながら日々勉強しなければならないと強く感じています。

 (3)弁護団事件

 私は、通常業務の他にもいくつかの弁護団に参加しています。思想に関わる領域は私には難しすぎますのでその部分にはあまり深入りせず、興味のある分野であれば広く積極的に携わらせていただいています。

 疫学・医学等の法律学以外の専家の勉強に参加したり、困っている方に現地で実際にどのように困っているのか伺ったりすることで、文字の背後にある現実の状況を勉強し体験することができました。

 また、弁護団の運営事務や訴訟以外の活動方法についても勉強になる部分が多くありました。

 3.最後に

 私は、地元の徳島県鳴市で開業したいと考えています。

 近時、地方創生の一環として、徳島県への消費者庁等の移転が話題となっています。

 官庁の一部分が移転することで当然一定の経済的効果はあるように思いますが、それ以上に民間企業の活性化が地方創生のために必要不可欠であることは言うまでもありません。

 弁護士一年目の業務の中で、先輩弁護士の顧問先の社を継続的に訪問する機がありました。

 その社の提供する商品・サービスの質は非常に高く、毎回訪れる毎に事業が成長していく様子を感じることができ、私自身も強いやりがいを感じました。

 私も、弁護士として、あるいはその他の方法で、地元の企業のサポートを通じて地方活性化の一助となりたいと強く思っています。

 遠大な計画の実現のため、まずは足元をみつめ(正月太りを解消し)、日々の業務と自己の研鑽に努めたいと思います。

                                   以上

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  修習生だより
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               修習生だより
                       第69期 司法修習生 三本松美樹

 こんにちは。第69期司法修習生の三本松美樹と申します。本日は、導入修習についてお話したいと思います。

 導入修習は、昨年から始まった制度です。
 その目的は、司法試験の受験が終わった後から、合格発表まで遊び呆けた私のような修習生に、知識の足りなさ等を自覚させ、実務修習への移行をスムーズにするという点にあるそうです。

 導入修習では、第1週目に5科目の即日起案があります。久々に頭をフル回転させ、へとへとになり、制度の思惑通り、司法修習開始早々に自分の不勉強を反省すると共に、二回試験への恐怖を覚えました。

 講義は、今まで勉強して来た実体法の知識をどのように実務で使うかという観点から進められます。

 今まで勉強してきたこととはまた違った切り口から考える事が多く、新鮮な驚きでいっぱいです。

 また、模擬取調べ、模擬公判前整理手続や、模擬争点整理などをする総合演習も多く設けられているので、試験のために勉強はしていたものの、条文や基本書だけではイメージがつきにくかった手続についても理解を深めることが出来ます。

 そして、このような総合演習では、裁判官・検察・弁護士の3教官が合同で講義をしてくださることが多いです。法曹三者それぞれ違う立場からアドバイスをいただけて、大変勉強になりました。

 以上のように、導入修習は、3週間程の短い期間ではありますが、中身は大変濃いもので、実務修習に出る前にこのようなカリキュラムを受けられて良かったと思います。

 また、勉強の面だけでなく、同じ修習地の仲間に一足早くえる点、また、私のクラスは、東北方面の4修習地から編成されていることもあり、別の修習地の人とも仲良くなれるという点も導入修習の良い点だと思います。

 実務修習が始まってから、自分とは違う修習地に遊びに行くことが出来そうで、今からとても楽しみです。

 1月からいよいよ実務修習に入ります。正直なところ、不安も沢山ありますが、導入修習で学んだことを活かして、積極的に様々な事を吸収し、実りのある修習にしたいと思っています。

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  加算プログラムの評価結果速報
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            加算プログラムの評価結果速報

 このたび、文部科学省による「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」において、これまでの実績も含めた本学法務研究科の取組みが、昨年度に続き2年連続で全国トップの評価を受けました。

 補助金が現行比145%になるなど、大きな期待を受けています。

 なお、法科大学院別補助金配分率は、1位・早田大学(145%)、2位・東京大学(135%)、3位・一橋大学(130%)、4位・京都大学、慶応義塾大学(120%)と続いています。

 また、本学法務研究科の取組みと、受けた評価は以下のとおりです。

  1.重層的な国際化対応プログラムの実施―卓越した優れた取組
  2.女性法曹輩出促進プロジェクトの創設―特に優れた取組
  3.「挑戦する法曹」育成・特別コースの設置―特に優れた取組
  4.「地方で活躍する法曹」育成プログラム―優れた取組
  5.「未修者教育」システムの改革プログラム―優れた取組
  6.法科大学院修了生の継続教育プログラム―優れた取組

 詳細は、こちらのHPをご確認ください。
     https://www.waseda.jp/folaw/gwls/news/2015/12/28/6585/

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  法務研究科Newsletter「梓」第19号発行のお知らせ
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   法務研究科Newsletter「梓」第19号が発行されました。

 ◆法曹理事・総・懇親 開催報告
 ◆記念講演(要約)「倒産弁護士への道~若き法曹のために~」 多比羅 誠

             等、法曹イベントについても特集されています。

  また、法曹長の水地啓子先生の講演についても、記事が掲載されています。

  是非御覧ください!

    http://www.waseda.jp/folaw/gwls/alumini/wls-news-letter/

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  ご支援・ご協力のお願い
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  本学の伝統を受け継ぎ、進取の精神をもって法のもとに正義を貫く志の高い優秀な法曹を一人でも多く育成することを念願し、法科大学院の学生のための奨学金として「法曹奨学金」を創設し、これまで支援を行ってまいりました。

  法曹として第一線で活躍されている校友および関係者に募金を呼びかけ、これまで多額の浄財が寄せられております。法曹の皆様の熱意に厚く御礼申し上げるとともに、引き続きご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 ・法曹奨学金へのご支援のお申込:こちらをご参照ください。
        http://www.waseda.jp/folaw/gwls/alumini/support/